昨今では、医療・美容記事を外注する企業は非常に多いです。その背景には薬機法と広告規制について厳格化したことによって、医療・美容記事を書き慣れている人でないと記事作成が難しいからです。
薬機法と広告規制を正しく理解していないと、記事納品後にクライアントからクレームが来たり、一歩間違えれば大きなトラブルになるリスクもあります。
そこで、今回の記事ではWEBライターが知っておくべき薬機法・広告規制の注意したい点について解説します。
薬機法とは?
この法律では、製造から販売・広告の分野に至るまで1つ1つ細かく定められているので、WEB媒体に関わるライターや編集者も正しく理解を深める必要があります。
薬機法の対象となる製品とは
- 医薬品 (医療用
- 市販薬・体外診断用など)
- 医療機器 (人工関節・ペースメーカー
- 診断装置など)・医薬部外品 (薬用化粧品など)
- 化粧品 (スキンケア・ヘアケア製品など)
薬機法と薬事法、何が違うの?
「薬事法は聞いたことがあるけれど、薬機法とはどんな法律なのか知らない。」という人も少なくありません。2014年11月に従来の薬事法が法改正により、正式名称が「薬機法」となりました。
薬機法に違反した場合は?
法人・事業者などが薬機法に違反した場合は、行政指導として是正処置を求められます。さらに、2021年8月からは新たに課徴金による罰則制度がスタートしました。
対象となる製品の売上金額の4.5%の納付義務が課せられることとなりました。
薬機法と広告規制の関係で2つの注意点
誇大広告は禁止行為
薬機法の対象となる医薬品や化粧品について、「誇大広告を出してはいけない」と規定されています。これは、薬機法第六十六条に定められているもので、誇大告 (記事も含む) や虚無の内容を記載・公開する行為は禁じられています。
特定の医薬品や化粧品の誹謗
特定の医薬品や化粧品など、商品に関する誹謗・中傷も禁止行為です。
- 例1「A社のこの商品は、トレンドに乗っていない。」
- 例2「B社のこの商品は、製造方式が他社と比べて古い。」
などの批判的な表現は誹謗・中傷に相当するものと考えられます。
薬機法と広告規制にどう対応すべきか5つのポイント
薬機法・広告規制について、WEBライターとしてどう立ち向かえば良いのでしょうか。
嘘をつかない
「100万本売れています!」「99%が満足したと回答しています!」「地域No.1」という表現をエビデンス(根拠)がないのに記事にしてしまうことは違法です。必ずエビデンスを記載することが必要です。
事実であっても誇張表現を打ち出すことをリスクと捉えていて避ける企業もあります。
断定表現は使用しない
「絶対効く」「必ず治る」というような断定表現は使用NGです。また、「治る」という単語は医療用語になるので、医療従事者ではない事業者が「効く」・「治る」という単語自体を使うことが違法となります。
例えばエステやマッサージ店のHPなどで「肩に効く」・「腰痛が治る」という表現は使えません。
根拠のない内容やウソを書くのはNG
「○ヶ月で10kg痩せます!!」「絶対鼻が高くなります」など、根拠のない内容や、ビフォーアフターの画像を修正して、事実とは異なる内容を書くのは「誇大な表現」となります。読者に誤解を招いてしまうため、NGです。
厚労省規定のガイドラインを要確認
薬機法違反を未然に防ぐ対策として、厚生労働省が規定したガイドラインを事前に確認しておくことが必要です。
参照:厚生労働省 令和4年の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)等の一部改正について
納品前にクライアントに相談する
医薬品や化粧品の記事を依頼されて薬機法に引っ掛かる表現があるかどうか、自分では判断がつかない場合は、クライアントに相談しておくと安心です。
薬事法から薬機法に改正されたことはなんとなく知ってはいても、具体的にどう対処すれば良いかわからず、戸惑うことも多いのではないでしょうか。
医療系の記事を作成する時は知ったかぶりをしないで、厚生労働省のHPを随時チェックするようにしましょう。数ヶ月単位で更新されていることがあるので、うっかり見落としてしまう場合があります。
法律を無視した記事がネット上に公開されることのないように、細心の注意を払いましょう。