新型コロナウイルスの影響で、一気に進んだリモート化。今や取材も遠隔で行うことが多くなってきました。遠隔で行う取材には、WEB会議システム、電話、メールなどのテキストを使う形態があります。今回は、声だけでお話をうかがう電話取材のメリットとデメリットについてご紹介します。
依頼主にとってのメリットとデメリット
電話取材のメリット
場所を選ばずに取材が受けられる
電話を使うと場所の制限がありません。全国、もしくは全世界から取材を受けることができます。そのため、広い範囲で取材ライターを探せます。また、取材場所を用意したり取材場所へ移動する必要がないので、多忙な中でも取材を受けやすくなります。
対面取材より安価になる場合がある
インタビュアーが足を運ぶ対面取材では、取材を行うライターの交通費が必要なケースがあります。また、取材場所をカフェなどにした場合は飲食代も必要です。電話取材であれば、それらの費用がいらないため、対面取材に比べて安価で済む場合があります。
感染症対策になる
遠隔での取材がここまで広がった一番の要因は、新型コロナウイルス感染症の流行です。非対面で行える電話取材は、感染症対策としても有効な手段です。
電話取材のデメリット
資料の手渡しや写真撮影ができない
電話取材では実際に会う機会がないため、資料の手渡しや写真撮影はできません。資料を渡したい場合は、メールかファイル転送サービス、または郵便で送ります。
ライターにとってのメリットとデメリット
メリット
移動を伴わないので時間と経費がかからない
ライターも移動を伴いませんので、時間と経費の節約になります。そのため、用事中のスキマ時間などでも取材ができますし、空いた時間を書く仕事に使うこともできます。電話取材が上手にできるようになれば、効率的に仕事を進められますので、収入アップにもつながるでしょう。
通信が安定している
オンライン会議を使う場合、インタビュイー側の通信状況が悪いと、映像や音声にタイムラグが生じて聞き取りが難しくなることがあります。電話回線は通信が安定していますので、タイムラグがなくスムーズです。
デメリット
対面取材と比べて手に入る情報が少ない
インタビュイーの姿や現場の様子を見られる対面取材と違い、電話取材で手に入る情報はインタビュイーの声と言葉のみです。限られた情報の中で記事を作成するので、対面取材よりもスキルが必要になります。
声だけで話を深掘りするのは難しい
対面取材では、取材前に行う雑談によって、インタビュイーの人間性を見たり場を和ませたりすることができます。一方、電話取材では無駄な話は省く傾向があり、最初から本題に入るので、インタビュイーがどんな人なのかをつかみづらくなります。相手の人間性がわからないと、話を深掘りする難易度も上がってしまいます。
長所と短所を知って取材方法を選びましょう
非対面のため手軽で安全など、メリットの多い電話取材。一方、電話取材では手に入る情報が声と言葉のみのため、後からメールやチャットで情報の補完が必要なケースもあります。
取材を行うライターも、電話を使うと効率的に取材ができる点はメリットですが、情報がたくさん手に入る対面に比べると取材の難易度は上がります。電話取材=ラクというわけではなく、声から相手の心情を推し量り、柔軟に対応できるスキルが必要です。
非対面で行えて、通信状況に左右されにくいメリットを持つ電話取材は、これからも廃れることなく利用されるでしょう。取材方法の選択肢として用意しておき、シーンに合わせて賢く利用したいですね。