「~したり」はNG?ライターなら知っておきたい基本的な使い方

「~したり」という表現は日常でもよく使われます。

気軽に使える表現ではありますが、間違った使い方がよく見受けられます。
文章では間違った使い方をすると、相手に与える印象が変わってくるので、正しい使い方を理解する必要があります。

この記事では、「~したり」の使い方や誤りについて分かりやすくお伝えします。

「~したり」の基本的な用法

「~したり」や「~たり」といった言葉は、並列助詞といいます。

2つ以上の言葉を等しい関係としてつなぐ役割であり、同じ並列助詞には「山と海」の「と」や「犬も猫も」の「も」などがあります。

並列・列挙の意味で使用されるのが一般的で、「~したり、~したり」というように繰り返して使うのが正しい使い方になります。

・午後からはおやつを食べたり、公園で遊んだりします。
上記のように、「~したり」が2つセットになった使い方が正しい使い方です。

3回以上繰り返すと、『読みにくい・くどい・ダラダラと話が続いてる印象』になるので、回数が多くなる場合は他の言い回しで表現するほうが良いでしょう。ビジネスシーンでは多用厳禁です。

「~したり」の例文

「~したり」で列挙する言葉は対の意味を持つ動詞や名詞を使うのが一般的です。

・飲んだり食べたりして過ごします。

・寒かったり暑かったり

また、基本的には同じグループの動詞や名詞とともに使うものです。
例えば、次の文章はどう感じるでしょうか?

・明日は、ドライブしたり勉強したりします。

なんとなくすっきりしない感じがしませんか?

「~したり」の使い方でよくある間違いは「したりします」という使い方です。
英語で言うと「do & do」です。日本語として通じるので間違いとは言えませんが、くどい稚拙な口語に聞こえてしまうのでビジネスシーンでは使用しない方が良いでしょう。若年層の会話で使用する分には問題はありません。


「~したり」のよくある誤用

よく誤用されるのが次のような文章です。

・本を読んだり散歩して過ごします。

上記のように、後半の「たり」を省略する誤用が多いものです。
「~したり」は繰り返して使用するのが基本で、原則として動詞や名詞1つにつき1回使用したものが2つセットになります。

上記の例では、正しくは次のようになるのです。

・本を読んだり散歩したり、毎日楽しく過ごしてます。

また、口語で可能性や推測を表す表現で1回のみ使われることがあります。

・犯人は〇〇だったりしてね

・明日も雨だったりするんじゃない?

このように、もしかしたら~かもしれないという意味合いの場合にも使われるケースがあります。
ただし、上記の表現は少し砕けた印象となるので使う場面に気を付けましょう。

上記のように「~したり」は1回のみで使用できる場合もありますが、口語と文語を混同してしまうことで誤用が発生する場合があります。

文章が長くなるほど後半の「たり」を省略してしまう間違いが増えやすくなります。
これらはよく誤用されているので、ライターとしては正しい使い方で伝えることが大切でしょう。

まとめ

「~したり」の使い方についてお伝えしました。

「~したり」は2つの言葉をつなぐものであり、基本的には2回繰り返して使うのが正しい使い方です。
しかし、ビジネスシーンで多用すると「幼稚でダラダラとした話し方だな」と捉えられる場合があるので、できれば使わない方がベターでしょう。
実際に弊社で納品した記事で〜したり、〜したり、という表現について「幼稚な文章だ!」と顧客からクレームになってしまったことがあります。文法として正解でも、100%全員が心地いい文章とは限りません。それは「したり」以外でも言える重要なことです。

この記事を参考に、「~したり」の正しい使い方を理解し、正確に伝えられるようにしてください。

まるりん

株式会社乙栄商会 代表取締役 乙丸英広。
パソコン1台、資産50万円を元手に2013年10月 足立区の実家で起業。
起業の理由は電車に乗って毎朝会社に行くのがめんどくさいから。オンラインで仕事ができる会社を作ろう!という発想からスタート。

株式会社乙栄商会は、12期目突入。設立から400社以上の企業から6,800件以上の新規取引を創出。
(※1)

上場企業の医療メディアの編集業務や小室哲哉さんの楽曲アーカイブ・AIの開発など幅広い業務を請け負う。

2021年 経済産業省から補助金の採択をされる。
2023年 協力会社のご縁があり、資金調達。
2024年 AI文字起こしを編集プロダクション事業に導入

(※1=2013年〜2024年11月)