四季がある日本では、時期によって暑さ・寒さの差が激しいことはもちろん、1日の中でも暑さと寒さの差が激しいことがあります。寒暖差が大きいと体調を崩しやすくなることが多いため、そのような状況を気遣うために寒暖差が激しい時期に応じた挨拶があります。寒暖差に触れる内容の挨拶はメールのほか文書で、プライベートとビジネス両方で使用できます。
今回は、寒暖差が激しい時期にメールで使える挨拶や結びの言葉を、例文や送り方とともに解説します。
そもそも「寒暖差が激しい時期」とは?
寒暖差が激しい時期とは、文字通り1日の中で暑さ・寒さの気温差が大きい、または気温の変動が大きい時期を指します。一般的に、夏や冬に感じるのは暑いか寒いどちらかで、1日の中で気温の差が大きいと感じることは少ないものです。反対に、季節の変わり目といえる春や秋は朝に冷え込んだと思ったら日中に暑さを感じる気温になるなど、1日の気温差が大きくなることが多い時期なので、このような時期を「寒暖差が激しい」と呼びます。
体調管理が難しいと感じるほどの気温差が出る時期に、寒暖差が激しい時期の挨拶を使うのが一般的です。
寒暖差が激しい時期を示す言葉を使う理由
春や秋などの日の気温差が激しい時期は、体調管理が難しい時期です。メールを書く相手がこの寒暖差で体調を崩していないか、または寒暖差が激しい日々が続いている中でしっかり体調管理を行って体調を崩さないよう気遣うのが、挨拶や結びの言葉に寒暖差が激しいことを示す言葉を使う理由です。
寒暖差が激しい時期に使える表現はプライベートで使えることはもちろん、目上の人や取引先などに対して作成するビジネスメールでも使えます。
寒暖差が激しい時期にメールで使える挨拶と結びの言葉
寒暖差がある時期に書くメールでは、冒頭の挨拶、最後に書く結びの言葉どちらにも寒暖差を表す言葉を使えますが、それぞれ異なる表現を用います。以下では、メールで使える冒頭の挨拶と結びの言葉を例文とともにご紹介します。
寒暖差が激しい時期の挨拶
メールで寒暖差が激しい時期の挨拶を使う際は、冒頭の挨拶に組み込みます。
・寒暖定まらぬこの頃ですが
・まだ肌寒い日が続くこの頃
気温差が大きい時期を表すためには、単純に「寒暖差が激しい時期ですが」という文章でメールを始めてもいいですが、表現のバリエーションを増やすのであれば上記のように「寒暖定まらぬ」などと言い換えて使う方法があります。
三寒四温とは、「3日寒い日が続いた後に4日温かい日が続く」という意味を持つ、寒暖差が大きい時期を表した言葉です。寒暖差が激しい時期に体調を気遣うメールを送る際は、この言葉を挨拶として使用できます。
また、メール冒頭の挨拶とともに気温差が大きい中で調子を崩していないかどうか、以下のような相手の体調を気遣う文言を挨拶とともに加えましょう。
・いかがお過ごしでしょうか。
・お元気でお過ごしでしょうか。
・変わりなくお過ごしでしょうか。
これらの挨拶はメールの冒頭でそのまま使って問題ありませんが、フォーマルな文章にしたいとき、かしこまった文章にする場合は寒暖差が激しい時期の挨拶の前に「○○の候」と時候の挨拶を付け加えるのがおすすめです。上記の「三寒四温」も、時候の挨拶として「三寒四温の候」としても使えます。
・三寒四温の候、いかがお過ごしでしょうか。
寒暖差が激しい時期の結びの言葉
冒頭の挨拶と結びの言葉では、どちらも「寒暖差が激しい」という文言を使えますが、重複しないように他の表現で言い換えるのがおすすめです。結びの言葉も、寒暖差を気遣う言葉とともに相手の体調を気遣う表現をセットで使用します。
・寒暖差が激しい時節柄、くれぐれもご自愛ください。
・季節の変わり目ですので、体調を崩したりなさいませんようお体をおいといください。
結びの言葉で体調を気遣うときは、「ご自愛ください」や「おいといください」などの表現を組み合わせて使えます。
「ご自愛ください」とは、「お体を大切にしてください」という意味を持ちます。「おいといください」は、「大事にする」「いたわる」などの意味を持つ「厭う(いとう)」という動詞に接頭語の「お」と補助動詞の「ください」を加えた言葉です。「お体をいたわってください」という意味がありますが、基本的に書き言葉なので口頭で言う機会はあまりありません。
「ご自愛ください」と「おいといください」はどちらも相手の体調を気遣う結びの言葉として寒暖差にかかわらず使用できるので、他の言葉と組み合わせると1年を通して結びの言葉として使えます。
ただし、「ご自愛ください」は体調を崩している人に対して使うと相手の気分を害する可能性があるため、体調が悪いかどうか定かではない相手に使うことは避けるのが無難です。相手の体調がわからない場合は、「おいといください」や「お気をつけください」などを使うといいでしょう。
なお、体調を崩していることがはっきりとしている相手に対しての結びの言葉では、「ご自愛ください」以外に「お労りください」「お大事になさってください」などの表現で言い換えができます。
寒暖差が激しい時期の挨拶の送り方
相手の体調を気遣う意味で寒暖差が激しい時期の挨拶をメールの冒頭の挨拶文として使った場合は、結びの言葉でも体調を気遣いましょう。つまり、上記の挨拶と結びの言葉は、セットで使いましょう。
寒暖差が激しい時期の挨拶を使う際に注意するべきポイント
使う時期に気をつける
前述したように、寒暖差が激しい時期とは春や秋などの季節の変わり目の、朝晩の気温差が大きい時期を指します。そのため、例として挙げた寒暖差が激しい時期の挨拶や結びの言葉は、たとえ夏や冬に気温差が大きい場合でも、一般的に厳しい暑さや寒さが続く真夏や真冬に使うには適していません。春や秋など、季節があまりはっきりとしていない時期にのみ使いましょう。
一般的には「寒暖差が激しい時期」とは12月〜3月に使うべき言葉ですが、昨今では温暖化の影響で9月〜10月も1日の気温差が激しいため、「寒暖差が激しい時期」と言っても間違いではないでしょう。(2024年9月追記)
自分の体感だけで判断して使わない
寒暖差が激しい時期の挨拶を使うには、気温差を感じる程度に個人差がある点も難しいポイントです。春や秋以外の時期でも寒暖差が大きいと感じることもあるでしょうが、メールを送る相手にはそこまで寒暖差が大きい時期だと感じていないこともあり得ます。そのため、寒暖差が激しい時期に使う挨拶や結びの言葉は、自分の体感で判断して送ることは避けるべきです。このことからも、前述したように一般的に他の時期よりも気温差が激しくなりがちとなる、季節の変わり目のみに使うよう心がけましょう。(例:7月・8月の真夏日に使うことはNG)
寒暖差が激しいといわれる時期は一般的に春や秋などの気温差が大きくなりがちな時期であるため、寒暖差が激しい時期に使う挨拶や結びの言葉は、1年の中で使う機会が限られます。それだけに、誤った時期に使ってしまうと相手に違和感を与える可能性があるため、正しい時期に適切に使いたいものです。
相手の体調を気遣う意味も含まれているため、寒暖差が激しい時期に使う挨拶や結びの言葉は今回ご紹介した情報を参考に、適した時期に使うよう心がけましょう。