「てにをはって何?」「どう使うのが正しいの?」と疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。
文章を書くうえで重要な「てにをは」
「てにをは」が一文字代わるだけで文章の意味は大きく変わってしまいます。
この記事では、「てにをは」に基本的な使い方を分かりやすく紹介します。
「てにをは」とは
「てにをは」とは言葉と言葉をつなげる助詞のことを言います。
「て」「に」「を」「は」だけでなく、「が」「の」「も」など助詞をまとめて「てにをは」と呼びます。
「てにをは」を一つ変えると意味が大きく変わる
「てにをは」は言葉と言葉をつなぐ助詞であるため、一文字変えるだけで文章に意味が大きく変わります。
例えば、次の文章はどうでしょうか。
・赤色がいいです
・赤色でいいです
どちらの色がいいかといかれた時に、上記のような答え方をすると質問したほうの印象は大きく異なります。「が」の場合は、「本当に赤色がいいんです!」というように赤色に対する思いが強く伝わってくるのです。
一方、「で」の場合は、「投げやりで仕方なく」というような感じを受けます。
「赤色でいいです」
・・・一気に態度が悪くなりますね。
このように、たった一文字でも助詞が違うだけで、文章のニュアンスを大きく左右されてしまいます。
使い方をマスターできれば、ライターにとって重要な「伝える」ための武器となるでしょう。
「てにをは」の正しい使い方
「てにをは」の正しい使い方を知ることで、より正確に相手に伝わるようになります。
ここでは、「てにをは」の使い方として、次のパターンを紹介します。
・主語を表す「が」と「は」
・目的を表す「が」と「を」
・場所を表す「で」と「に」
・行き先を表す「に」「へ」「まで」
主語を表す「が」と「は」
「てにをは」の中でも、もっとも使われるものが、主語を表す「が」と「は」でしょう。
主語に「が」を使うのか「は」を使うのはでは、印象も大きく異なります。
・私が掃除しました
・私は掃除しました
それぞれどのように感じるでしょうか。
「が」のほうは、「私」が強調され、さらに掃除という行為も強く伝わってくるものです。
それに対して「は」のほうは、私や掃除が強調されることはなく、どちらかというと客観的な事実を表しているような印象です。
上記のように、「が」と「は」には次のような使い分けがあります。
「が」:主語をより強く伝える
「は」:主語を強調せずに客観的に伝える
また、「が」と「は」は誤用が多発しやすい傾向があります。
・主人が仕事を始める時にコーヒーを飲み始めた。
この場合、コーヒーを飲み始めたのは「主人」なのか「仕事を始めた別の誰か」なのかという二通りの解釈ができるでしょう。もし、コーヒーを飲み始めたのは主人であるなら次のようにする必要があります。
・主人は仕事を始める時にコーヒーを飲み始めた。
これで、コーヒーを飲んだのが誰なのかが分かりやすい文章になるのです。
上記のように、誤用してしまうと伝えたいこととは別の意味で解釈される可能性もあります。
正しく使い分けることで、正確に意味を伝えられるでしょう。
目的を表す「が」と「を」
「が」と「を」も使い分けが難しいものです。
例えば、下記の場合はどちらが正しいでしょうか。
・洋服が買いたい
・洋服を買いたい
どちらも正しいように感じますが、正しくは「洋服が買いたい」です。
「買いたい」のように、意思や願望が語尾になる場合は、「が」が選ばれるのが一般になります。
「買いたい」の後に「と思う」と動詞が続いた場合に「を」を使います。
場所を表す「で」と「に」
場所を表す助詞には「で」や「に」があり、使い分けが難しいものです。
・図書館で集まる
・図書館に集まる
上記は、どちらも正しいように感じるのではないでしょうか。
この場合、正しいのは「図書館で集まる」です。
「で」と「に」は大まかには次のように使い分けます。
「で」:意志による行動など動作を表す文章
「に」:物の状態や場所など状態を表す文章
「集まる」は行動を表しているので「で」が正しくなるのです。
「図書館に」とした場合は、「図書館に本がある」「図書館に友人がいる」といったように、状態や場所を表す場合に使います。
行き先を表す「に」「へ」「まで」
行き先を表す「に」「へ」「まで」は、同じように目的地を表しますが、細かく使い分けされるものです。
・公園に行く
・公園へ行く
・公園まで行く
細かいニュアンスなので分かりにくいものではありますが、次のように異なります。
「に」:目的地や目的地に着いた状態
「へ」:移動方向・これから向かっていく
「まで」:移動過程
「公園に行く」は公園が目的地となり、公園に到着したイメージが伝わってくるものです。
それに対し「公園へ行く」は、「ここから公園へ移動する」というニュアンスとなり、スタート地点から公園へ向かっている状態が伝わります。
「公園まで行く」場合は、公園までの過程がより強く伝わるものです。
このように、一文字違うだけで目的地に対してどのような行動をイメージさせるのかが異なります。
上手に使い分けることでより具体的に相手にイメージしてもらえるようになるでしょう。
「てにをは」の使い分けについて紹介しました。
「てにをは」は言葉と言葉をつなぐ助詞で、たった一文字違うだけで文章の与える印象が大きく異なるものです。
それぞれ細かいニュアンスに違いがあり使い分けは難しいですが、伝える文章を書くためには使い分けがとても大事となります。
この記事を参考に、ライターとしてより伝わる文章を書けるように「てにをは」を理解して上手に使い分けましょう。