ライターが知っておくべき二重敬語の正しい使い方とは?

敬語を正しく使っているつもりでも、実は誤った使い方をするケースも多いのですが、意外と気づかない人も多いのではないでしょうか。
ビジネスシーンで相手に対して尊敬の気持ちを言葉で表すのは良いことですが、むやみに使いすぎると二重敬語になってしまい、不自然な表現となります。

そこで、今回は二重敬語の正しい使い方について特集します。

二重敬語とはどんな文法なのか

二重敬語とは

二重敬語とは、読んで字の如く、敬語を二重に使用することを言います。厳密には、1つの文章や会話の中で1単語につき敬語が2か所使われることです。

よくありがちな二重敬語の事例

敬語を正しく使っているつもりでも、つい無意識に二重敬語を使うのはよくありがちです。

【誤】おっしゃられる → 【正】おっしゃる

【誤】お越しになられる → 【正】お越しになる・いらっしゃる

【誤】お行きになられる → 【正】おいでになる

謙譲語と尊敬語の混同

尊敬語と謙譲語を混同するケースもよくあります。

【誤】先生が申されました → 先生がおっしゃいました

「申す」は謙譲語、「おっしゃる」は尊敬語です。

二重敬語の使い方で3つの注意点

二重敬語を使うべきではない理由とは?

目上の人や取引先・顧客などに対して敬語を使うのは適切です。
しかし、二重敬語を使うことにより、相手との間に距離感が生じてしまうこともあります。

・お客様がお帰りになられます

・またご連絡させていただきます

・こちらで承りいたします

「お客様がお帰りになられる」「またご連絡させていただきます」「こちらで承りいたします」といった表現は、丁寧な言い方ですが、どこかよそよそしい雰囲気も感じ取れます。
敬語をむやみに使うと、固い雰囲気になってしまうこともあります。

それよりも、お互いに親しみやすさが感じられるように、やんわりとした言葉遣いの方が自然です。「お客様がお帰りになります」「またご連絡いたします」「こちらで承ります」の方が、簡潔に伝わります。

「させていただく」の使い過ぎは不自然

音楽番組を見ていると、司会者からの質問を受けたミュージシャンが「演奏させていただきました。」「△△さんと共演させていただきました。」といった回答を耳にすることがあります。尊敬の対象となる相手がいない場合に、「させていただく」の表現は不自然です。

また、ビジネスシーンでは「拝見させていだきます」という表現を使う人もいますが、正しくは「拝見します」です。「拝見」と「させていただく」は双方とも謙譲語です。

過去・直近のエピソードとして司会者からの質問に答えるシーンなので、「演奏しました。」「共演しました。」とシンプルに表現するのが適切です。

役職に「様」は不適切

役職名の語尾に「様」をつけるケースもよくあります。

社長様・課長様・先生様といった表現は、一見丁寧な表現ではありますが、日本語ではまず使うことはありません。

ただし、韓国語では部下から社長に対して「サジャンニム (社長様)」、生徒側から先生に対して「ソンセンニム(先生様)」と言います。「ニム」とは韓国語の漢字語の表現で「~様」の意味を表します。

古来より儒教の教えが深く根付いた韓国では、敬語の表現には厳しいしきたりがあります。

まとめ

今回は二重敬語について特集しましたが、いかがでしょうか。

普段の自分の言葉遣いや文章表現で二重敬語を使っていたことに、この記事を読んで初めて気づいた方もいることでしょう。
「二重敬語はどのように使えばいいの?」「どんな時に使えば良いの?」と悩む人もいますが、結論から言えば、プライベートからビジネスシーンまで、二重敬語は使う必要はありません。
とはいっても、敬語の使い方・表現はまだまだ難しい部分も沢山ありますので、ビジネスマナーのひとつとして、尊敬の表現については正しく習得することが肝心です。

みゃあ

WEBライターのみゃあ です。
おうち時間が増えて、最近は卵と牛乳にこだわったプリン作りにハマる今日この頃です。