「~思います」は日常の中でもよく使う表現でしょう。
しかし、「思います」は使い方次第で意味合いが異なることや、相手によって別の表現に言い替えることが必要になります。
この記事では、「思います」の表現の違いや敬語表現・言い替え方について紹介します。
「思います」の不確定表現と確定表現
「思います」とは、「思う」に丁寧表現である「ます」がついた言葉です。
この「思う」には推測や断定・感情などさまざまな意味合いがありますが、一般的には「自分の思いを主張する」時によく使われます。
しかし、同じ「思います」でも使い方によっては、不確定な表現となる場合と確定の表現となる場合があるのです。
~かと思いますは不確定表現
「思います」の前に「かと」がついた表現は不確定表現と言えます。
例えば、よく耳にする使い方として次のような表現があるでしょう
・お忙しいかと思いますが、…
・ご存じかと思います。
この「かと」は「~だろう」や「~なのではないか」といった推測や憶測を表す表現になります。
上記の「お忙しいかと」では「忙しいだろう」という意味合いになるのです。
内心では「忙しい」と思っているけど、確定していないのでぼやかした言い方ともいえるでしょう。
そのため、「~かと思います」という表現は、物事を断言するのを避けたいときなど確信度が低い時に使用します。使用するシーンを間違えると「上から目線」だと感じられてしまうので、ビジネスシーンで使用することは注意が必要です。
また、「~かと思います」と混同しやすいので「とは思います」でしょう。
上記の例を「とは思います」で言い替えると次のようになります。
・お忙しいとは思いますが、
・ご存じとは思います。
この場合は、確定的になります。
「忙しいのは分かっているけど」と、忙しい状況だと知っている場合に使われるのです。
~と思いますは確定表現
不確定的な表現である「~かと思います」に対して「~と思います」は確定の表現といえるでしょう。
上記の「とは思います」と同様に、根拠を持って確信がある場合に使われるものです。
ただし、「思います」の場合は、使い手の個人的な意見や推量をもとに判断を確信して伝える場合に使われるのが一般的です。
どちらかというと、「自分の判断だから、他の人にとっては分からない」という意味を含み、断定を避け内容をうやむやにする表現でもあります。
例えば、天気予報で次のように伝えられたらどう感じるでしょうか。
・明日は雨が降ると思います。
なんとなくすっきりしない感じといえますね。
天気予報は伝え手の個人判断を伝えるわけではないので、一般的には次のように伝えるものです。
・明日は雨が降るでしょう。
また、ウェブ記事や文章などでも「思います」を使う場合があるものですが、こちらも注意が必要です。
「思います」を多用すると煮え切らない表現となり、文章自体の信憑性を損なう可能性があります。
ただし、断定できないことを事実のように伝えるのは、問題となるので気を付けましょう。
「思います」の敬語表現
「思います」は丁寧語の「ます」がついているので、そのままで丁寧表現となります。
敬語でもあるため、そのままビジネスや会話で使っても問題ありませんが、カジュアルな印象を与えるものです。
そのため、より相手に敬意を表したい場合などでは的確ではありません。
丁寧語は、日常で使う言葉を丁寧に表現することで相手への礼儀を払うものです。
それに対して、自分を低くして相手の立場を敬うのが「尊敬語」や「謙譲語」となります。
「思います」は丁寧語ではありますが、より敬意を示す尊敬語や謙譲語ではないので注意しましょう。
「思う」の丁寧語・尊敬語・謙譲語は次の通りです。
丁寧語 | 思います |
尊敬語 | お思いになる・思われる・ |
謙譲語 | 存じます・所存です |
「思います」の言い換え
「思う」にはさまざまな意味合いがあるため、どの意味で使うのかによって言い替えを判断するとよいでしょう。
自分の考えを主張する「思う」の場合は、「判断」や「意識」「感じる」などの言葉に置き換えた表現で言い替えられます。
また、「母親のことを思って」のように、予測や回顧・願いの意味合いであれば、「願う」や「心配」などと言い替えられるでしょう。
「思います」の使い方について解説しました。
「思います」は、使い方によって確定表現や不確定表現にもなります。
また、丁寧語ではありますが尊敬語や謙譲語とは異なるため、相手や状況に応じて使い方を判断する必要があります。
この記事を参考に、「思います」を理解して、上手に使いこなせるようにしましょう。