「代替」の意味や読み方は?「互換」や「置き換え」との違いや言い換え方

日常生活や仕事で、よく見かける単語や漢字であっても読み方や意味をよく把握していない、意味の理解にいまいち自信がないということはありませんか?よく見聞きする言葉でも、複数の読み方があったり類義語との区別が難しかったりすることがあります。

そこで今回は、「代替」という言葉の意味や読み方、類義語との違いなどを解説します。

「代替」の意味と読み方

「代替」とは、「代わり」という意味を持ち、本来のものではなく、それに見合う別のものや人を代わりにすることという意味があります。代わりのものだけに使用できると思われがちですが、人に対しても使えます。

「代替」の読み方は、「だいたい」または「だいがえ」です。国語辞書ではこれら2種類の読み方が掲載されているので、どちらも正しい読み方です。「だいたい」を使う方が多い印象がありますが、同音異義語と区別するためにあえて「だいがえ」と読む場合もあります。

「代替」と類似した言葉との違い

「代替」と似たような意味を持つ言葉はいくつかあります。そのため、文書作成時などにどの言葉を使えばいいのか、迷うことはないでしょうか。そこで、「代替」と類似した代表的な言葉との違いを解説します。

「互換」との違い

「互換」とは文字通り、「互いに取り換えること」「取り換えがきくこと」という意味を持ちます。代替は単なる「代わり」という意味である一方、互換は取り換えられる代わりのものだけではなく、交換可能な状態であることを示す点が異なります。

パソコンのソフトや部品などで「互換性」の有無などが記載されていることが多いですが、これは異なるシステムや環境でも同じファイルなどを使用できるという意味で用いられます。

「置き換え」との違い

「置き換え」には、2つあるものを取り替えて置くこと、という意味があります。「代替」は代わりになる他のものに替えるという意味がありますが、「置き換え」は必ずしも代わりになるものだけに限らず、新しいものや追加するものに対しても取り換えるという点が違いです。

「代替」の使い方と例文

「代替」はそのまま「代替する」のように使えるほか、「代替品」や「代替案」などの単語としても使用されます。これらの言葉の使い方と例文をご紹介します。

代替・代替する

「代替」は、元々あるもの、または本来あるものをそれに見合った別のものに置き換えるときに「○○の代わりに」と同じように使えますが、「代替する・される」のように動詞としても使用できます。

【例文】

  • 先日提出したプランに不備が発見されたため、別プランで代替した。
  • 近い将来、人間の能力はAIに代替される可能性がある。
  • 再生可能エネルギーは代替エネルギーとしても知られている。

代替品

「代替品」は、本来使うはずだったものに替わるもの、本来の目的と同様に使用するものを指します。ビジネスシーンでも多く使用されますが、近年はベジタリアンやアレルギー対応食品などに「代替品」が使用されるなど、日常生活でも商品販売やサービス提供時など多く目にする言葉です。

【例文】

  • こちらの商品は入荷が遅れているため、代替品で対応しています。
  • アレルギー対応の代替品をご用意いたします。

代替案

こちらも、ビジネスシーンで多く使用される表現です。「案」という文字が含まれていることからわかるように、元々の案の代わりとなる案を指します。元の案が使用できなかった場合の代わりの案として使用するほか、本案と同時に予備の案を準備しているときにも使用されることがあります。

【例文】

  • 当初の案に不備があったため、代替案を提出する予定です。
  • 念のため、代替案を用意しています。

「代替」を言い換えるには

代替は人やもののほか、行動に対しても使われる、使用範囲が広い言葉です。「代替」は他の言葉でも言い換えが可能ですが、言い換えるにはそれぞれの目的や対象に合った言葉を選ぶ必要があります。

代行

「代行」とは、本来何かの動作を行うべき人の代わりに行動をする、という意味を持ちます。車の持ち主の代わりに車の運転をする「運転代行」がわかりやすい例です。「代替」を行動に対して使う場合に言い換えるときは、こちらの「代行」を使いましょう。

【例文】

  • 急病で欠勤した部下の代わりに業務を代行した。

代理

「代理」とは「代わりとなる人」「他人に代わって物事を処理・遂行する」という意味を持つ言葉で、人に対してのみ使用します。ビジネスシーンでは、役職と同等の権利を持ち、権限を代行する立場として「課長代理」などの管理職もあります。「代替」は人に対しても使えるので、その場合に他の言葉に言い換えるには「代理」を使いましょう。

【例文】

  • 課長代理として業務を遂行した。

代用

「代用」とは、特定のものを他のものの代わりとして用いるときに使います。「代用品」のようにものに対して使うので、前述した「代理」のように人に対しては使用しません。

「代用」には「本来使いたいものがないときに一時的に使う」という意味が含まれており、本来使うものが戻ってきたら元に戻すという意味合いもあります。そのため、「代用」は完全に入れ替えて使うときにも使われる「代替」と意味合いが異なってきます。

【例文】

  • 片栗粉を切らしていたので、コーンスターチで代用した。

「代替」以外にも注意したい読み方を持つ言葉

読み方に悩むことが多い「代替」のような単語は、他にもいくつかあります。ビジネスシーンで頻出する言葉で読み方を誤ったり悩んだりする言葉について、正しい読み方を解説します。

重複

同じもの・ことが重なるという意味を持ちます。「ちょうふく」が正しい読み方ですが、「じゅうふく」と読まれることも多い言葉です。辞書にも「じゅうふく」が掲載されているため、この読み方でも誤りとはいえないものの、ビジネスシーンで使用する場合は正しい読み方の「ちょうふく」を使用しましょう。

進捗

「進捗」は業務やプロジェクトの進行状況を確認するときなど、ビジネスシーンでよく使われる言葉です。

「捗」の読み方に悩むケースが多いですが、この漢字のみでは「捗る(はかどる)」のように使用し、「順調に進む」という意味があります。「進捗」とは物事が進みはかどることという意味を持ち、「しんちょく」と読みます。

早急

「至急」や「急いで」などの意味を持ち、ビジネスシーンでもよく目にする言葉です。「さっきゅう」と「そうきゅう」の2種類の読み方があり、本来は「さっきゅう」と読むのが正しいとされていましたが、現在は「そうきゅう」という読み方も辞書に掲載されているため、どちらも誤りではありません。

相殺

「そうさい」と読み、差し引きをして損得がないように調整をする、という意味があります。「そうさつ」と読みたくなるかもしれませんが、これは誤りです。

「殺」という漢字は、「殺す」という意味では「さつ」と読む一方で「そぐ、減らす」という意味で使用する場合に「さい」と読むためで、双方に損得がないように差し引きをする場合は必ず「そうさい」と読みましょう。

まとめ

「代替」は2種類の読み方があり、人やものなど幅広い事柄に対して代わりとする際に使われる言葉です。特にビジネスで使う際は誤った読み方・使い方を避けるためにも、正しい読み方と使い方を押さえておくべきでしょう。今回ご紹介した情報を参考に、ビジネスとプライベートで「代替」という言葉を正しく使いましょう。

otoeiメディア編集部

レイです。
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普段はライターの仕事をやっています。好きな食べ物は中トロとコーヒー。